小さな政府か大きな政府か
日本が直面している大きな問題の一つが、社会保障制度をどうするかということです。高齢化が進む中で若年層への年金負担が大きくなること、社会福祉の制度がしっかり整備されていないこと、医療制度が逼迫していることなど、考慮すべき問題は山ほどあります。
そんななかで議論されているのが、政府の大きさをどの程度にして、社会保障制度をどうしていくか、ということです。政府がどれだけ手厚く社会保障をするべきか、どのように社会に貢献して行くべきかが問われているのです。これを少し経済的な側面から見ていきましょう。
大きな政府と小さな政府
大きな政府、小さな政府という概念があります。大きな政府とは、社会保障を手厚く行い、国民の生活を守ることを大きな役割とする政府のことです。北欧の国々ではこのような政府が国政を担っています。一方小さな政府とは、民間ではどうしてもできないようなサービスだけを行い、あとの業務はできるだけ民間に移行させて自由度を持たせた政府のことです。
経済的な視点
大きな政府、小さな政府を実現するとどのようなことが起るのか、経済的な視点で見ていこうと思います。まず大きな政府にした場合、国民は手厚く生活を保障されます。医療費は安くすみ、さまざまな社会保障サービスも受けられるようになります。しかしそれと同時に税金は多く取られることになります。政府が多くの役割を担うことになるのですから当然です。さらにあまりにも生活が保証されてしまうと国民の働く意欲がなくなるということも考えられます。実際イギリスで一時期そのような事態が起りました。
一方小さな政府にすると、社会保障制度がそれほど充実しないので、国民の安心感がなくなってしまいます。しかし税金はそれほど取られなくなるという利点もあります。
全体の経済がどうなるかというと、大きな政府の場合は社会制度が整い、安心して国民がお金をその他のことに使うようになるかもしれませんが、働く意欲を失って経済的にあまり発展しなくなることも考えられます。小さな政府の場合には税金があまりとられないので消費が増えるかもしれませんが、社会保障が充実していないために貯蓄を増やそうとして消費が減るかもしれません。どちらがいいかは一概には言えませんが、そのときの社会情勢、国民性によって決めるべきでしょう。